上西琢也さん

金沢大学を卒業後、2009年株式会社日本経営に入社。医療機関の財務コンサルティング業務に従事している。医療機関の中長期経営計画の策定や診療科別・病棟別原価管理の支援を専門とし、これまで約40件以上の病院の支援を行ってきた。多くの現場経験を生かしたコンサルティングに定評がある。月刊保険診療への掲載経験もある。

 

 

1.今の会社(日本経営)部署(病院事業部)を選んだ理由

実は、医療業界に興味があったわけではありません。学生時代、会計(財務・税務)を専攻しておりその知識を活かせるような仕事がしたいと考えていました。また会計(財務・税務)だけでなく、経営を支援したいという想いがあったため、会計事務所ではなくコンサルティングファームへの就職活動を行いました。その条件を満たした今の会社(株式会社日本経営)に巡り合い、入社することになりました。

現在所属している部署は、入社前に経験させていただいたインターンにて自分のやりたい仕事が一番実現できる部署だと確信したため、配属を希望し、それが叶い現在も働かせていただいています。

 

2.実際の仕事内容、特に印象に残っている事例

実際の仕事内容としては、医療機関における管理会計の構築と運用、および中期事業計画の策定や戦略立案を主に担当させていただいています。他にも、人事関係やリスクマネジメント(生命・損害保険)等も実際にしているため、いわゆる医療機関に対する何でも屋のようなイメージですかね。

印象的な事例については、今となっては当たり前ですが担当している医師から「新しい医療機器を買いたいのだけど、うちの現状から考えて大丈夫かな」「うちの財務状況を確認したいのだけど教えてもらえる」「うちって頑張っているの?もっと頑張らないといけない?」「職員について悩みがあるのだけど、時間とれない?」といったような相談が、24時間(おおげさ)土日もいただけることに当初驚きましたね。

 医師は、現場で医療に専念したいという想いがあられますが、反面経営をこなしていかなければならないとなると、さすがに時間が足りませんよね。そうした時に、私どもを頼ってくださるのは、心底嬉しい瞬間です。

 

3.今の職場のメリット・デメリット

 主に院長や理事長といった経営者の方々と、若い年次から一対一でお話しさせていただけることですかね。そのため、入社早々圧倒的な経験を積むことができます。反面、自分にかかってくる責任も非常に重たいというのが現状における職場の環境です。

この点に表裏一体の考え方ですね。厳しい環境で自らを高めたいであればもってこいですし、その反面勉強しなければいけないことは山ほどありますので、その重圧が重荷になるような場合も考えられますね。

 

4.新卒のときの苦労、頼りになった先輩の一言、辛いときどのように乗り越えたか

 苦労しかなかったですね(笑)。ある程度通用すると思って入社したつもりだったのですが、実際は何一つ・・・。さらに日々の業務に追われ仕事内容が自分のやりたいこととかけ離れていくことも多くあり、当時は本当にきつかったです。

 今思い返すと上司には本当に助けていただいたように思います。当時の私は財務を主として経営に携われるようになるという軸だけはブレないようにしようと考えていました。けれど、実際にどのようにすればそれが実現できるのか明確な答えを持てませんでした。当時の上司には、仕事が終了した後ほぼ毎日夜10時~翌日朝1時まで、つきっきりで指導をしていただき、それにより少しずつ道が開けてきたように思います。今思い返せば本当に感謝しても、したりないですね。

 

5.医療業界やドクターとの関わりで心がけていること、難しいと感じること、失敗談

 相手の立場を考え、その人に合わせてお話しさせていただくようにしています。あくまで傾向ですが、相手に伝える際には、その方が内科系の医師と外科系の医師では表現をかえるようにしています。

 また、私の専門である会計の分野では経営をよくすることを儲かるといったりするのですが、その表現を使うことはまずありません。実際に私が担当させていただいている先生方は、医療で収益を上げることが目的ではなく、世の中の患者様をよくするために自ら望む医療を行うことを目的と考えていらっしゃいます。ですので、言葉は選ぶようにしています。

 難しいと感じる点は、提案内容等における論理性や理詰めに関することですね。実際私より遥かに頭の良い先生方とお話しさせていただくので、この点はまだまだ勉強して鍛えていかなければいけないと考えています。

 

6.医療業界の印象、また入社時と比較してその内容に変化はあったか

 私にとって入社前における医療業界は、プロしかいない場所、いわゆる第3者が関与できない聖なる領域でした。思いかえせば、正直そのような場所で自分の必要性があるのか疑問を抱いていたように思います。

 しかし、実際に多くの関わりをもたせていただくと入社時の印象は大きく変わりましたね。医療に関して素人であった頃には気づかなかったのですが、医師の方々も実務経験によりその能力に差があること、また業務における分担が非常に重要であるという印象を現在は持っています。

 先生方は、自分の望む医療を実現したいと考えられており、経営はその手段です。ならば私のようなものでも、そのお手伝いをさせていただき、先生にはその理想を現実のものにしてもらうといったように、win-winの関係が構築できれば、どちらにとっても喜ばしいことであると考えています。

 

7.ワーク・ライフバランスについて

 ワーク・ライフバランスについてですが、これについてはまず自分が納得できる仕事のレベルを考えます。現状、私は何をもって休みであるかよくわかっていない状況ですね。勤務時間内においても、体力の限界であれば移動中に睡眠をとることもありますし、休暇日であっても仕事で気になることがあれば、上司の下にいくこともあります。実際、36524時間病院経営のことを考えていらっしゃるのが経営者です。そのようなお客様を担当させていただいていると、休むという感覚はなくなりましたね。

 実際、入社3年目の頃までは月450時間近く働いていたように思いますが、それ以上に働いていらっしゃる医師もおり、そのようなお客様に対して私も同じレベルで努力させていただくためには、まだバランスを考えるレベルに達していないと考えています。

でも、実際に息を抜くときは全力であそびますし、仕事も全力です。

 

8.職種のキャリア、キャリアアップについて、また今後の予定

 本当の経営コンサルタントになりたいと考えています。現状私が主としているのは、財務・会計と戦略の部門です。しかし経営内容は、その他人事の部門やIT関連の部門があったりと多岐にわたります。ひとつの専門性を追求するスペシャリストではなく、全体を俯瞰できるジェネラリストになりたいと考えています。もちろん、私だけのオリジナリティは持ち合わせです。

 これまで医療に関する多くの現場を見させていただきましたが、本当の現場はそこで働かせていただいてこそより分かるものだと思います。今後出向等でより現場のことを理解して、コンサルさせていただく内容が、机上の空論になることが無いように常に気を払っていきたいと思っています。

 

9.学生、若手に向けてメッセージ

 何か仕事や業務を与えられたらまずは「ハイ」と言ってできる理由を考えることが大事だと思います。当社では、新しい仕事を頼まれるときは「Yesかはい」のどっちだ!と聞かれます(笑)

 現在できることが限られていても、その枠内に収まらずにどんどんチャレンジしていけば必ず色んなことができてくるようになります。もちろんその中で辛くなったりすることも多くあるでしょうが、その中で諦めずに少しでも楽しさをもって取り組めば、将来努力しておいて良かった感じられるようになると思います。

 そして、どんな時でも自分を磨いている時間だと思い、置かれている環境を常に楽しむことですかね。